1987年5月に制定された「臨床工学技士法」に基づく医学と工学の両面を兼ね備えた医療の国家資格です。
医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行う事を業とし、医師や看護師、その他コメディカルと共に治療をサポートしています。 当院は、現在1名の臨床工学技士が在籍しています。
腹水濾過濃縮再静注業務(CART)
腹水濾過濃縮再静注(CART)とは、腹水を取り出して、それを濾過して癌細胞や細菌を取り除き、さらに濃縮し、患者さん本人に静脈内注入する方法です。腹水の中には、身体に必要な蛋白成分(アルブミン、グロブリン)が大量に含まれているので、それを濃縮して血液にもどします。2週間以上の間隔をあけて数回実施できます。
当院ではプラソー μ(旭化成メディカル社)によるCARTとKM-CARTを行っております。
a)適用
腹部膨満感・体動困難・呼吸困難といった自覚症状を有する難治性腹水症(または胸水症)の患者さんが保険適応となります。
b)工程イメージ図
ME室では病棟や外来で使用される人工呼吸器等の生命維持管理装置をはじめ、輸液・シリンジポンプやPCAポンプ、低圧持続吸引器などの様々なME機器の操作や保守点検、また修理対応を行っています。臨床工学技士(Medical Engineer;ME)は、医師の指示のもとに日々進歩していくME機器を使用する医療に従事しており、院内のME機器の安全性向上を目的に患者さんに安心して使用できるように業務を行っています。ME室が中心となり購入から廃棄までの管理運用を行っています。
ALSなどの神経疾患で呼吸不全に陥った患者さんには人工呼吸器を導入し、血中の酸素・二酸化炭素濃度を適切に維持します。臨床工学技士は機器が安全に使用できているか確認し、日常点検や使用前点検(組み立て、設定)を行い、一日数回、病棟をラウンドして機器が適切に稼働しているか確認しています。
医療機器の安全使用、事故防止を目的に新入職員や医療機器を取り扱う方を対象に、人工呼吸器、除細動器などの機器講習会もまた行っています。