IVR外来

IVR(Interventional Radiology)とはカテーテルや特殊な針により画像診断の技術を用いて行う治療です。
IVRというと聞きなれない言葉かもしれませんが、外科手術の方からは低侵襲手術(Minimally Invasive Surgery)という言葉もあり、要するにこれまで開腹手術等で行っていた治療をより少ない侵襲で治療しようという方向は同じです。

当院には2名の日本IVR学会専門医、3名の日本IVR学会認定看護師がおりチームで様々なIVR治療を行っています。また、肝臓カテーテル治療に関しては肝臓専門医宇賀公宣もチームに加わり共同で治療にあたっています。当院で行っている手技(手術)には次のようなものがあります。
放射線科外来では毎日IVR治療を希望される患者様に対応していますのでどうぞお気軽にご相談下さい。

IVR学会専門医

久 直史(専門 No.363)
久 修明(専門 No.442)

肝臓専門医

宇賀 公宣(専門医 No.52415)

IVR学会認定看護師

山崎裕子(認定 No.469)
田中佐織(認定 No.470)
松村加英(認定 No.471)


血管系IVR

1.肝動脈塞栓術

主に肝細胞がんの治療に行われます。カテーテル(細い管)を足の付け根の動脈から挿入し、肝内の腫瘍を栄養している動脈枝まで進め薬剤の注入や栄養動脈の塞栓によって治療を行います。 マイクロスフィアを用いた新しい治療法(DEB-TACE)にも積極的に取り組んでおり、年間100例以上の治療を行っています。この方法は発熱などの副作用も少なく転移性肝がんの治療にも行っています。
論文:「古典的肝細胞癌に対する5-fluorouracil 含浸マイクロスフィアの安全性・有効性

2.動注リザーバ留置(動注化学療法)

主に肝細胞がん、転移性肝がん等の治療として行います。埋め込み可能なカテーテルを使用し皮下に埋め込んだポートから定期的に抗がん剤等を注入します。

3.CVリザーバ留置

静脈からの全身化学療法や中心静脈栄養のためにカテーテルおよびポートの埋め込みを行います。当院では主に前腕からのルートを用いています。

4.経皮的血管形成術(PTA)

狭くなったり閉塞したりした血管(主に動脈)をバルーンカテーテルを用いて拡張・再開通させ血流を再建します。ステントと呼ばれる網状の金属の筒を用いる場合もあります。当院では主に下肢動脈の狭窄・閉塞病変に対して行っています。

5.その他

部分的脾動脈塞栓術(PSE):脾臓が大きくなり血小板数が少ない場合に行います。
下大静脈フィルタ留置:下肢静脈に血栓がある場合に肺塞栓を防ぐために行います。


非血管系IVR

1.ラジオ波焼灼療法(RFA)

主に肝細胞がん、転移性肝がんの治療のために行っています。超音波等の画像を確認しながら先端部に高周波電流が流れる特殊な針を腫瘍部に進め腫瘍を高温で焼いて治療します。

2.経皮的エタノール注入療法(PEIT)

最近では1.のRFAを行うことが多いですが、病変部をピンポイントで治療したい場合に行っています。使用するのはRFAに比べて細い普通の針で病変部にエタノールを注入して腫瘍を壊死化させます。

3.経皮的椎体形成術(PVP)

骨粗しょう症や転移性骨腫瘍による椎体の圧迫骨折に対して、経皮的にセメント様物質を注入することで痛みをとるのに有効です。

PVP(経皮的椎体形成術)が100例に達しました。

合併症も見られておらず、良好な治療結果が得られています。


当院のこれまでの主な実績(2022年3月31日現在)

肝がんに対する肝動脈塞栓術(TACE)
  内(DEB TACE)
741
(333)
肝がんに対する動注化学療法(TAI)
36
肝がんに対する動注リザーバ留置
64
肝がんに対するエタノール注入療法(PEIT)
256
肝がんに対するラジオ波焼灼療法(RFA)
140
閉塞性黄疸に対する胆汁ドレナージ(PTCD)
201
急性胆嚢炎に対する胆嚢ドレナージ(PTGBD)
83
胆管ステント留置
123
膿瘍ドレナージ
122
腎瘻造設(PCN)
94
胃瘻、空腸瘻造設
190
下肢動脈バルーン拡張、ステント留置
77
血栓溶解
9
下大静脈フィルタ留置
19
中心静脈リザーバ留置
466
経皮的針生検、吸引細胞診
317
経皮的椎体形成術(PVP)
402
経皮経食道胃管ドレナージ(PTEG)
230
部分的脾動脈塞栓術(PSE)
18
腹水濾過濃縮療法(KM-CART)
505
中心静脈カテーテル留置(CV)
21
運動器TAE
4
その他
380
4498

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