2016年7月から、「手術以外の選択肢=血を出さず、痛くない方法」として開発された、3TO(VHO)巻き爪矯正技術を用いた、巻き爪矯正治療を始めました。
保険適応はありませんので、自由診療(自費による治療)となります。
専用のワイヤーを爪にあわせて形成し、爪の左右に引っ掛けて、もう一つのワイヤーで巻き上げることで、矯正を行います。
(1)専用のスチール鋼を爪の大きさに合わせて切り、爪の湾曲状態に合わせてワイヤーを湾曲させる。
(2)これを爪の左右に引っ掛け、専用のフックを用いて巻き上げ、固定する。
(3)余分なワイヤーをカットした後、人工爪でワイヤーの固定部分をカバーする。
という手順で施術します。
爪の横に引っ掛けたワイヤーは、一見、食い込んで痛いように見えますが、血管が走っている真皮内まで突き刺すわけではないため痛みを感じることはなく、出血もしません。
従って、麻酔の必要もありません。
固定したワイヤーは爪の伸びとともに前方に移動するので、施術して約3ヵ月後に付け替えを行います。
これを半年から1年くらいかけて矯正していきます。
(引用ここまで)
痛みを伴わないので、麻酔は使用しません。炎症がなければ、施行当日から入浴も可能です。
スポーツも可能ですが、つま先に強い力がかかるスポーツ(サッカーなど)は、ワイヤーの固定が外れてしまう可能性があり、ひかえてもらいます。
爪の長さの前方1/3から1/2の場所にワイヤーをかけることで、3ヶ月程度の間ワイヤーはかかったままになります。爪が伸びてワイヤーが先端まで来たら、ワイヤーをはずします。その時点で矯正が不十分であれば、再度ワイヤーをかけます。
爪溝が極端に狭いときや、巻き方が極端なときは爪の前方にしかワイヤーがかけられないことがあります。そのときは、ワイヤーは短い期間で先端に移動するので、早めにワイヤーをかけなおすことになります。
どうしてもワイヤーがかけられないときは、矯正力はやや弱くなりますが、プレート接着式の矯正技術(ポドフィックス)
を利用することがあります。ポドフィックスはワイヤーを内蔵したプレートを爪に接着して、そのワイヤーを巻き上げることで矯正を行います。
施行後は、問題がなければ、1ヶ月ごとに受診してもらって、経過をみます。もし、痛みなどの異常があれば、連絡をいただいた上で受診してもらいます。
炎症が強く痛みのために爪溝に触れないような状態では、まず炎症を治める治療を行います。
爪白癬(爪水虫)の場合は、まず水虫の治療を優先します。
極端に薄い爪の場合は、爪の破損の危険があるので適応できません。
初診時には、適応かどうかの判断のために、通常の保険診療のカルテを作って、まず診断をさせていただきます。適応があれば自由診療に切り替えます。
ワイヤーが自然に脱落してしまうことがあります。完全に取れてなければ、カットバンなどで保護して受診してください。
爪が割れる、爪の一部が剥離する、爪下に出血する、爪下にうおのめができるなどの副作用がありえます。
期待される矯正効果が得られないこともありえます。
3TO 初回 指1本矯正:10,000円
3TO 2回目以降ワイヤー交換あり:6,000円
ポドフィックス 指1本矯正(1回毎):5,000円
再診 ワイヤー交換なし:1,000円
診療は、火曜日の午後のみで、予約制です。お電話で予約をお受けします。
保険診療のカルテも作りますので、健康保険証はお持ちください。
電話 088-882-3126 図南病院 外来
予約受付時間は 午後1:30~午後5:00(月曜~金曜)です。
指先は、中心に骨があり、その周囲をやわらかい組織が取り囲み、そのやわらかい組織が皮膚で覆われています。足の指の腹側に体重がかかったときに指の変形を防いで体重を支えているのが、爪です。
爪は、指の腹側からの荷重に対し、反対側から圧力のバランスをとっているイメージです。
そして、爪自体は下から押されることで、平らな形を保っています。
巻き爪の原因はいろいろ考えられますが、ほとんどは爪に対する圧力のバランスの乱れで説明できます。
(1)指の腹側からの荷重がかからなくなった状態。
指の腹側からの荷重がなくなると、爪を下から押す力がなくなって、爪が巻いてしまいます。
寝たきりで歩けない人、正しくない歩き方でいわゆる浮き指の状態の人や、同様に足の変形や靴が合ってないために指が浮いた状態で歩いている人などが考えられます。
(2)靴が合ってなくて、指が側面から圧迫された状態。
指先の側面からの圧迫は、指のやわらかい組織と皮膚が爪の側面の辺縁に乗り上げるような変形をきたして、爪は巻いていきます。
(3)深爪の状態。
深爪をすると、指の腹側あるいは側面から圧がかかったときに、爪のない先端の皮膚・やわらかい組織の変形はより強くなり、爪の辺縁を変形させます。
(4)その他
遺伝的あるいは、極端に蒸れたような靴の中の環境による爪の変形、極端に薄い爪、爪白癬(爪水虫)による爪の肥厚なども原因と考えられます。
手術的治療と保存的治療があります。
(1)手術的治療
巻いている爪の側縁を切除して、その部分の爪が生えてこないように爪の付け根部分(爪母)を切除または薬品で焼灼します。
炎症が強いときや、指に対して明らかに爪が幅広いときには手術が必要と考えられます。
保険適応で行われる治療で、短期間に治癒が目指せる方法です。
しかし、爪の幅が狭くなる、術後の痛みが強いことがある、再発することもあることなども可能性としてありえます。
(2)保存的治療
ワイヤーによる張力、あるいは樹脂やワイヤーの弾性力を利用した巻き爪矯正療法です。
保険適応がなく、自費での治療となります。
状態により半年から1年の長期間を要します。
爪の状態によっては、適用できないことがあります。
矯正されても、歩き方の改善や適切な靴を履くなどの予防をしないと再発します。