図南病院 創傷ケアセンター

創傷ケアセンターは、平成29年6月1日から、事情により新患の受付を停止しています。
ご迷惑をおかけしますが、ご了承下さい。再開につきましては、あらためてお知らせ致します。

 糖尿病や動脈硬化の増加により、足の病気が問題になっています。いわゆる糖尿病性足潰瘍、血行障害からおこる足の潰瘍、骨の変形が原因でおこる潰瘍などです。かつて日本ではこれらの疾患に対する関心が低く、治療成果も必ずしもよくありませんでしたが、ここ数年でようやく「フットケア学会」や「下肢救済・足病学会」などができて、注目されるようになってきました。

 

 当院では、2004年に足の治療の先進国であるアメリカの技術を取り入れた専門外来である創傷ケアセンターを設立して、治療を行ってきました。2015年4月からはフットケアセンターも診療を開始し、難治性慢性創傷の予防から治療までを先進のノウハウを持って提供させていただきます。足の傷が治らない、足が壊死して切断を勧められた、褥瘡が治らない等、いわゆる慢性の難治性創傷でお困りの患者さんは、一度当院にご相談ください。

創傷ケアセンターとは

慢性創傷治療専門のセンターです。

慢性創傷とは、6ヶ月以上治らない創傷または、治療を開始してから1ヶ月経過しても治っていない創傷を言います。
その中には、糖尿病に伴う足潰瘍や壊疽、末梢動脈疾患(下肢閉塞性動脈硬化症)に伴う足潰瘍・壊疽、下肢静脈不全による下腿潰瘍、下肢外傷後やその他の種々の原因による下肢難治性潰瘍と褥瘡などがあります。

創傷ケアセンターでは、専門的な訓練を受けた創傷ケア専門看護師(「ケースマネージャー」と呼んでいます)が中心となって患者さん一人ひとりの症状や創傷の状態、生活環境などを把握、記録し、創傷専門医、放射線科・内科医師、理学療法士、栄養士、義肢装具士などからなる医療チームがそのデータを共有することで、一般的には治療が困難とされる慢性創傷に取り組みます。

傷ケアセンターでは、外来通院による治療を基本としています。
初診当日に可能な限り発症原因と治癒しない原因を特定し、治療方針を決定します。
創傷専門の医師による治療のあと、ケースマネージャーが自宅での創傷処置をサポートし、1-2週に1回の通院で治療していきます。

血行再建や、麻酔を必要とする手術、抗生剤の点滴などが必要な場合には、入院していただきます。
また、血管外科的手術などが必要な時は、それぞれの専門医に紹介をします。
これらの治療を行うことで、14週間で80%の治癒を目指しています。

創傷ケアセンターでの治療

◉問診

初診時の問診:いつ創傷ができたのか、治療はしているのかどうか、治療しているならその治療内容について、現在までの創傷の変化(よくなったか、悪くなったかなど)について聞きます。
また、現在治療中の病気とその症状・治療の内容や、過去に治療した創傷や病気があるかどうか、職業や1日の立位・歩行・座位・臥床の時間、どんな履物を履いているかについても伺います。さらに、在宅での処置と通院が可能かどうかも確認します。

再診時の問診:前回受診後の創傷や全身状態の変化と異常の有無、処置や除圧などの指示が遵守できたかどうか、疑問点がないかどうか確認します。

◉アセスメント

アセスメントとは評価のことで、創傷アセスメント、神経障害アセスメント、血流アセスメント、除圧についてのアセスメント、その他全身状態についてのアセスメントを行います。

創傷アセスメント:創傷の場所、大きさ、深さ、浸出液の色と量とにおい、創傷の周囲の皮膚の状態(浮腫、発赤・腫脹、浸軟など)について、計測して分類(潰瘍は「テキサス分類」、褥瘡は「DESIGN-R」を使用)・記録し、写真撮影も行います。

神経障害アセスメント:神経障害の症状の有無、10gモノフィラメントによる知覚検査など。

血流アセスメント:皮膚の色、温度などを確認。足背動脈・後脛骨動脈・膝窩動脈・大腿動脈の拍動を触れる。BIDOP(超音波ドップラー)で上記の血管の波形を観察する。SPP(レーザードップラーによる皮膚環流圧)の測定など。

除圧のアセスメント:履物、ベッド、クッション、立位・歩行時間などの問診に加えて、履いている靴を内側・外側ともに観察し、フィットしているかどうか確認する。車椅子についても、実際に座った状態で除圧を確認する。

◉検査

10gモノフィラメントによる知覚検査:太目のナイロン糸でできた10gモノフィラメント(写真)は、軽くゆがむまでの強さで皮膚に押し当てることで、ちょうど10gの圧がかかるように作られています。モノフィラメントを当てたことが感じられなければ、知覚障害ありと判断し、神経障害性潰瘍のリスクがあると考えます。

BIDOP:超音波ドップラー(写真)で、足の動脈の拍動を音と波形で検査します。

SPP:SPPはレーザードップラーで皮下の毛細血管の血流を計測します。

患者別転帰・治癒率(開設~2016年3月)

転帰割合(n=665人)
 コンサルテーション222人(33%)、治癒320人(48%)、治療中28人(4%)、死亡17人(3%)、大切断8人(15%)、非治癒56人(9%)、治療継続不可14人(2%)

治癒率(n=443人)
 治癒320人(72%)、治療中28人(6%)、死亡17人(4%)、大切断8人(2%)、非治癒56人(13%)、治療継続不可14人(3%)

患者治癒率=72.3%

受診方法

創傷ケアセンターは、平成29年6月1日から、事情により新患の受付を停止しています。ご迷惑をおかけしますが、ご了承下さい。再開につきましては、あらためてお知らせ致します。

◉ご予約  お電話にてご予約を承ります。
図南病院 創傷ケアセンター
TEL:088-882-3126(内線1020)
予約受付時間:午後1:30~午後5:00(月~金)

◉診 察 
木曜日 午前9:00~11:30(下肢慢性創傷)

午後1:30~2:30(褥瘡)
受診当日までに主治医の先生に診療情報提供書を書いてもらってください。
医師による診察のあと、必要があれば検査を受けていただきます。
診察終了時に、次回の診察の予約をおとりします。

◉再受診
基本的に週1回、もしくは2週に1回のペースで通院していただきます。
場合により入院の上、検査・治療を行います。

ご意見その他 受け付けます

〒780-0806 高知市知寄町1-5-15
図南病院 創傷ケアセンター
電話 088-882-3126(内線1020)

ミレニアメディカル

ミレニアメディカル(ミレニアメディカルHPはこちら)

図南病院創傷ケアセンターはアメリカのミレニア・ウンド・マネジメント社との提携により、最新の医療を実現しました。
当センターでの創傷治療は、アメリカの医療コンサルティング会社であるミレニア・ウンド・マネジメント社との提携によって実現したものです。ミレニア社は創傷治療の専門的なプログラムを確立しており、アメリカで大きな実績を残しています。
当院の医師や看護師は専門的なトレーニングを受け、日本法人ミレニアメディカル社の確立されたプログラムに基づいて、サポートを受けながら治療を行います。

PAGE TOP